KAI-YOU映像ディレクター/ライターの布村(ほむら)です。
大学時代から自主制作映画を監督・製作したり、卒業後はプロの撮影現場で実践的に映画づくりを学んだりしてきました。
そうした映画制作の経験をベースとして、現在はKAI-YOUに入社し、映像ディレクターとして、映像制作全般(演出・撮影・編集・音響)の業務を行っています。
まずは簡単な自己紹介を兼ねて、映像メディアとWebメディアとの関係性についての個人的な考察をご紹介します。
映像のなかでも、とりわけ映画はWebの世界とは関連性のない世界のように感じる方も多いかと思います。
しかし、デジタル技術が隆盛を極めている現代では、様々な分野で蓄積された古典的な技術や知識と、最新のテクノロジーがごく自然な流れとして融和をし始めていると考えています。
例えば、芸術の分野などは特にそうした感度が高く、チームラボやライゾマティクスなどに代表される、テクノロジーを駆使したメディアアートのジャンルでは、そうした融和的な状況を如実に感じられます。
そうした中で、100年以上前に登場して以降、成熟度を増してきた映画をはじめとした映像メディアも、次のステージへと進む必然性に直面していると言えます。
また、私自身もいくつか自主制作の実写映画を製作する中で、インターネットの重要性や可能性を大いに感じる瞬間や、実際に救われた場面が多くありました。
現実を撮影することで、フィクションの世界を作り上げる実写映画においては、地球上のあらゆる事象が創作や表現の対象となると思っています。
地球上の森羅万象に対して、広い見聞を求められる実写映画づくりにおいて、現代社会の発達したインターネットは私にとって心強い味方となりました、
例えばロケハンをするにしても、GoogleEarthで地球上の景観をつぶさに見ることができるほか、映画の舞台となる土地の風土や文化、歴史などを作品に反映したい場合、現地に行かずともネット上から一定の情報を集めることで気軽にリサーチが可能です。
そうした、映画製作とインターネットの融和を実体験を通して強く感じた結果、KAI-YOUにて映像とWebをミックスさせてPOPな動画コンテンツを制作し、発信していくというミッションに目覚めました。
現在、KAI-YOUでは、ニコニコ公式チャンネル「KAI-YOU.ch」や、YouTube公式チャンネル「KAI-YOU Videos」などで、動画コンテンツを配信しています。
特に、「KAI-YOU Videos」は2015年4月より本格的に稼働し始め、まだまだ発展途上のプロジェクトです。
KAI-YOUの掲げる”POP”という座標のもとに、様々なジャンルの事象を映像でピックアップし、アーカイブ、さらにはよりPOPなシーンの形成していくという狙いがあります。
現在は自社メディア「KAI-YOU.net」の記事と連動しつつ、取材動画やインタビュー動画などを中心に配信しています。
今後は、より自由度と創意工夫を高めつつ、KAI-YOUの特色を生かしたオリジナルの動画コンテンツを提供してゆきたいと思っています。
また、KAI-YOUではPOPな動画コンテンツ制作や、YouTubeを生かした動画戦略など、これまでにない映像メディアとしての価値をつくりだしてゆける仲間も募集中です!
さて、「KAI-YOU Videos」は先述の通り、YouTube上ではまだまだ駆け出しの状態です。
まずは主戦場となるYouTubeで活躍し、成果を残している有名チャンネルの動向をリサーチしてみたいと思います。
BuzzFeedやVICEなどの先行する欧米のWebメディアは、YouTube上に公式チャンネルを複数開設しており、日夜多彩な動画コンテンツをアップロードすることで、多くのチャンネル登録者を集めています。
また国内では、はじめしゃちょーさんやHikakinさんなど、人気YouTuberのチャンネルには数万人から数百万もの登録者がいます。
多数の動画がアップロードされるYouTubeを映像コンテンツ配信の場として活用してゆく場合、ひとつ目標として掲げるべきはそうしたチャンネル登録者数の増加です。
まず最初に、YouTubeにおけるチャンネル登録の機能について改めて確認しておきます。
YouTubeアカウントを持つユーザーがログインした状態で、各チャンネルのトップページや動画再生画面にある登録ボタンを押すことで、チャンネル登録は成立します。
基本的にはTwitterのフォローと同じような概念で、チャンネル登録者の元には、登録先のチャンネルで更新があった場合に通知がなされるほか、自動で最新の動画が各登録者のフィード上に表示されるので、彼らには自分のチャンネルや動画を見てもらえる確率が上がります。
こうした、登録者を増やすことで配信する動画の再生数の増加はもちろん、各ユーザーのフィードに表示されることで、アップロードからバズまでの初動(再生回数、SNS上での拡散)に大きな影響を与えます。
ひいては企業の公式アカウントなどでは、登録をされることで繰り返しユーザーに動画やチャンネルを見てもらえる確率が上がることから、自社のブランディング構築も可能になると言えます。
また、YouTuberなど個人ユーザーにおいても、チャンネル登録者の存在は映像制作のモチベーションアップに繋がるなど、あらゆる面において彼らチャンネル登録者の存在はポジティブな要素となると言えます。
アメリカで若者を中心に人気を集めている、新興WebメディアのBuzzFeed(バズフィード)。
彼らの手がけるコンテンツは、Webページを基本とした記事として提供されているほか、公式YouTubeチャンネル「BuzzFeed Videos」では、1900本近くの動画が公開されています。
7月27日現在の時点では、チャンネル登録者数は約69万人。
また、毎日5本程度の動画が継続的に公開されており、ほとんどの動画が100万回再生以上を記録しています。
そんな、BuzzFeedもチャンネル登録者を日々チャンネル登録者を獲得するために様々な工夫を行っています。
BuzzFeedの動画を見ていると、動画の終わりに5秒程度のチャンネルを宣伝する画面が表示されることに気づきます。
これは、YouTubeのサイト内で画面上にリンクを表示させるアノテーション機能を用いた、チャンネル宣伝方法です。
画面上にチャンネル登録ボタンを設置したり、関連する動画のリンクを設置することで、さらなる興味や視聴を促しながら、チャンネル登録に繋げて行きます。
アノテーション機能の難点としては、動画をアップロードした後に、ユーザーが動画ごとに個別に設定しなければならないため、手間がかかってしまうことと、スマホでは適応されないことです。
しかし、こうしたネガティブな側面を省みても、アノテーション機能は極めて有効な手立てだと言えます。
https://www.youtube.com/watch?v=CaoosIn5Rl8
実際にKAI-YOU Videosで導入している、動画の最後に設けられた誘導画面ならびにアノテーション機能を紹介します。
こちらは導入したばかりで、試験的な運用ということもあり実際の導線としての効果は未測定ですが、動画自体にテレビ番組のようなコンテンツとしての締まりのようなものが生まれています。
こうしたテレビ番組など既存の映像ジャンルや表現方法を取り入れて、動画の形式や体裁を整えることは、視聴者にとって満足感や、チャンネルへの信頼に繋がっていくのではないかと考えています。
映画やテレビ、Webとそれぞれのメディアの特性は違えども、視聴者の目線からすると同じ「映像」であることに変わりはありません。
そうした既に成熟した映像メディアの文脈を踏まえた上で、ユーザーにとって慣れ親しんだ映画やテレビ番組のような雰囲気を動画内に演出することは、視聴者にとってある種の既視感に基づく、心地よい映像体験となるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=E0-RNxqevak
先述の通り、企業としてのブランディングや宣伝という意味では、チャンネルの宣伝画面とアノテーション機能を導入することへのデメリットはほぼ感じられません。
しいてあげるとすれば、YouTubeにおいてはユーザーの動画視聴時間や滞在時間も重要なデータとして蓄積されています。
あまりに長い宣伝によりユーザーのリアクションに悪影響を与えたり、動画の尺と見合わない短すぎる滞在時間などネガティブなデータが蓄積されることは避けたほうがいいでしょう。
今回はアノテーション機能について紹介しましたが、今後もYouTubeのチャンネル登録者数アップ施策や、Web動画コンテンツのありかた、映像製作における実践的なアイデアなどをご紹介してゆきたいと思います!
チャンネル登録よろしくおねがいします!(笑)